ある女の子の話
ある日うつ病の女の子が言った
「私は、ただ家にいるだけじゃないのよ。ドクターストップがかかったの。仕事続けていたら入院だったかもしれないと思い始めていたのは自分だけどね。だから、今の私は療養が仕事なの。ただ家にいる人だと思われたくないわ。」
せつない瞳。絞り出す声で一息に言った。
彼女は、普段、何もできない。ひどい時は身の回りさえ。そして眠り姫になっている。一心不乱な眠り姫に見える。
そんな彼女は、心許した人しか、交流できない。はっきりしている。だから交流している人には、まるで普通の中の普通に見えるほど明るい。
そしてそんな彼女は、時に哀しくも、心の螺旋階段に迷う。責められたり怒られたりすると堕ち、放っておかれても堕ち、自分を嫌いになっていく。
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