今では忘れてもいいのかな
成人して少し経った頃、母親から、「彼のどこが好きなの?」と聞かれた。
私が、「理由なんてないけど。」って答えたら、「理由ないなんてないわ。お母さんだって聞かれたら言えるよ。」と言われた。
どこが好きだなんて。心がそう感じてるから。
好きなものを嫌いになんてなれないし、嫌いなものを好きになれないでしょ。心で感じることは皆。
どうなったか?って、母親には聞いてもらえなかった。違うと言うばかりだった。
全てに理由はあるけれど、その言葉の矛盾に深さと純粋さを知らせるものがあるような気がする。
最初惹かれ始めるところは自動的。
インスピレーションと波長は恋人同士にしかわからないから。それがまたいいから。
そんな母は、道端奥に咲く母の好きな花を彼が入ってそっと摘んで渡してくれたことを忘れている。マムシに注意、の看板があったっけ。無事で良かったし、私は「危ないじゃん」と注意したけど、その時の母は目を潤ませていたのに。「作業着だから大丈夫」、なんて言っていた彼を忘れてる。
もう昔の事。
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