あるふうの話4


現在のふうがエアコンのリモコンを失くして探している。探すことって、なんて寂しいんだろうなんて湧いて思ったりする。
ふうが夜中眠れなくなるのは、過ぎたある日の、眠っていても起こされて、同じ気持ちになれと寝かせてもらえないことが時々続いた夜からだと思う。恐怖だった。筋が無い話で八つ当たりされて、ふうにはどうしようもできないけれど、電話は切れてもまたかかる。寝てはダメ。そしてその話の所為は、ふうの所為になってしまってる。ふうは、もう、そちら側からしたら、居るだけでダメだということみたいだった。わからないだらけ。涙も出ない。半分頭はボーッとする。静かに明るくなって、一日が始まる。ふうにとっては、日がどこから始まってどこで一旦仕切られるのか、壊れていた。だけど、時計とやらの針に従ったなら、会社へ行く。その明るくなった頃には電話も夢だったかのようにかかってこない。ふうのそんな夜中がたくさん続いて、座椅子でずっと座ってる日々が始まり出した。勝手に体が眠るまで任せ、その方が、決められた罪悪感を軽くできた。
真っ暗闇の、西の白い壁に、阿弥陀様が光って見えた時は、今でも不思議であり、ありがとうございますという気持ちになれる。
夜中、現在でもなぜ少しの間一旦起きてるのか、そんな過去がまだ細くなりながらも尾を引いてるからなんだと思う。
まだ、似たような軽自動車を見かけると、胸がドキドキ苦しくなるのだから。

……To be continued

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心に花束を唇に微笑みとメロディを

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